個人的にオススメしたいアングラ・裏社会系マンガを解説付きで紹介するぞ
はじめに
週刊誌の発売日で曜日感覚を養っている私ですが、マンガ好きの友人に「面白いマンガない?」って聞かれたらいつもオススメしているアングラ・裏社会系マンガを、折角なのでここでも紹介したいと思います。
アングラ・裏社会系マンガとは
アングラ(アンダーグラウンド)・裏社会系マンガとは、私が勝手に命名したものですが、要は違法行為や犯罪、グレーな行為などがバリバリ出てくるマンガのことです。
私自身、断じてこういった世界の人間ではないのですが、これから紹介するマンガは、事実に基づいた話をかなりリアルに表現しているものが多く、何も知らなければうっかり自分も被害に合いそうだと思わせられるものがあります。
殺人や窃盗、暴力、麻薬、虐待、売春など、テレビのニュースでしか見ないようなキーワードも、この平和な日本でも身近に感じて生きている人がいるという現実を、是非ともみなさんに知って頂きたいです。知ることで、自分の身を守ることにも繋がりますからね。
それでは早速紹介していきましょう。
・ギャングース(※特にオススメ)
このマンガを初めて読んだ時の衝撃は忘れられない。親から虐待を受け、まともな教育を受けずに少年院時代を過ごしたカズキ・サイケ・タケオの3人が、犯罪集団相手を専門としたタタキ屋でのし上がっていくという話。
実話を基にしたストーリーの重さ、深さはかなりのもので、登場人物の背景の多彩さや、ヤクザや半グレ、不良などの集団構成から犯罪手法まで、とにかく作者のこだわりが随所に感じられる。
単行本では、話の合間に作品の補足や、作者の想いが綴られているのだが、これがまた短いながらも読み応えがある。
作品の中に詐欺集団が出てくるのだが、その組織構成や手口の凝り方を見ると、現実で騙される人の多さや捜査の難しさも納得できるし、もし自分が標的になったら騙されてしまうと思う。
主人公たちもさることながら、途中から出てくる加藤という人物の魅力がまた良い。
数あるこの手の作品の中でも、群を抜いてオススメしたい作品である。
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・東京闇虫
23歳ニートの大阪人である加藤は、250万もの借金を踏み倒そうとしていた。支払いの催促にビビりながらもなんとかなると思っていた矢先、借金取りがやってきて拉致られてしまった。
そして出会った浅村という、如何にも怪しい男から、袋を運ぶだけで10万という、これまた如何にも怪しい仕事を持ちかけられ、これを遂行する。そこから加藤と浅村の黒い関係が深まっていく…
若干リアリティさに欠けるストーリーだが、非現実的な世界だからこそ、「裏社会ってこんなイメージ!」を地でいく感じが、逆に安心して読める。
主人公の加藤がダメ人間っぷりをちょいちょい出してくるところも、親近感があって読みやすい作品。
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・闇金ウシジマくん
鉄板。映画・ドラマ化もしたので知っている人は多いとは思うが、マンガは見たことないという人もいるのでは?
主人公の丑嶋馨(うしじま かおる) は、闇金『カウカウファイナンス』 の社長を務める、弱冠23歳の強面。ケンカが非常に強く、人間の頭に躊躇なくバットをフルスイングできる人物として恐れられている。
ストーリーは「奴隷くん」編や「若い女くん」編のように、短編が連なる感じになっており、それぞれのシリーズタイトルに表れる登場人物と関係者、丑嶋やカウカウファイナンスとの物語を描いていく。
このマンガの見どころは、闇金という違法の融資機関に来る人々が、意外と普通の人だというところだろう。作者は実際に闇金業者にインタビューをしたりしており、闇金の実態と乖離していない、日本の生の闇を垣間見ることができる。
そして、もちろんハッピーエンドなんてことはなく、普通に人が死んだり(殺したり)するのも、ありきたりだがそれ故のリアリティがある。
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・シバトラ
これもドラマ化したので知っている人が多いと思う。だが、これは是非ともマンガで読んでもらいたい作品の一つ。
主人公の柴田竹虎(しばた たけとら) は、見た目は中学生の様だが、剣道日本一の少年課刑事。そして彼には、死相が死神の手として見えるという特殊な力を持っており、その力を駆使して少年犯罪に立ち向かうという話。
特殊能力があるところや、剣道が強すぎるところはマンガ補正があるが、少年犯罪などは結構リアルだし、絵のタッチの柔らかさもあって、ウシジマくんなどのガチ系に比べると読みやすい。
個人的には武良広海がお気に入り。
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・新宿スワン
これもまた映画・ドラマ化している作品。主人公の白鳥龍彦(しらとり たつひこ) はひょんなことから真虎(まこ)に拾われ、スカウト(キャバや風俗などの斡旋)の世界に足を踏み入れる。
龍彦はケンカが強く人相は悪いが、自分が風俗に斡旋した子のことを気にかけたり(普通のスカウトマンはそこまでケアしない)、友達のために体を張るなど、人情味溢れる一面もある魅力的な人物だ。
この作品の舞台は歌舞伎町のスカウトであり、読者にとってもそこそこ馴染みのある世界だと思う。しかし、そこも例に漏れず裏社会と繋がっており、マンガとしての脚色もあるだろうが、数々の物語は現実でも起こり得る事件として、読んだ後に歌舞伎町を歩くのが怖くなってしまう程である。
また、この作品では麻薬がキーアイテムとなっており、この麻薬を巡って起こる抗争もまた、ニュースで見ないだけで現実で起こっていると思うと、なかなか他人事とは思えない。
鉄板だが読んでおいて決して損はない作品だ。
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おわりに
ここで紹介した作品は、まあそれなりに有名処ばかりでしたが、やはり作品レベルも高いものばかりなので、読んだことがない人は是非読んでみてください!
また、他にもオススメがあれば教えてくださいね。